こんにちは。mitteのトレーナーのイワサキ ケンジです。
貯金ではありません。「貯筋」です。
筋肉量が減り、それに伴い筋力が低下した状態を「サルコペニア(筋肉量減少症)」といいます。
将来寝た切りになる主要な原因のひとつですが、最近は若い世代でも過度なダイエットや運動不足が原因でサルコペニアになる人が出てきています。
筋肉は体を動かすときのみならず、食べ物を飲み込むときに働く嚥下(えんげ)筋や、呼吸をするときに働く呼吸筋などすべての活動にかかわっています。筋肉量が減ると、体を動かすのがおっくうになり、活動量が減って寝た切りに陥りやすくなり寿命にも影響します。一般に筋肉量は30代から減りはじめ、70代の高齢者の15%、80代の50%がサルコペニア(筋肉量減少症)であるといわれています。しかも最近では生活習慣の変化により、30~40代など若い世代にも広がってきています。パソコン作業の長時間化、車やエスカレータの利用、家事労働の軽減など、日常生活で体を動かす機会が減っているためです。
これに偏った食事など食生活の乱れが加わると、さらに筋肉量は減っていきます。極端なダイエットにより、筋肉は減り脂肪に置き換わる状態に陥り、将来、骨粗しょう症になってしまう可能性も出てきます。
筋肉は適切に使い続けることで増え(貯筋)、使っていないと徐々に減っていきます。貯筋することは転倒の予防になるだけでなく、筋力・持久力が向上して疲れにくく、基礎代謝も上がり太りにくい体になります。それによって活動の範囲や質が広く高くなり、生活の質が向上するのです。
筋肉を増やすためには運動に注目しがちですが、食事や睡眠・休息も重要となってきます。たんぱく質は筋肉の主要成分ですし、炭水化物は筋肉を動かす脳や神経のエネルギー源になります。また筋肉は、適度な運動や適切な食事に加え、休養をきちんと取ることで成長します。
そして運動で筋肉をバランスよく鍛えるには、ゆっくりした動きの「スロートレーニング」が適切といわれています。ゆっくりであれば小さな負荷でも、筋力アップに大きな効果が得られます。回数もはじめは3回ぐらいくり返すだけでいいので、時間もかかりません。起床直後や満腹時は避け、入浴後など筋肉がほぐれている時間に行うといいでしょう。これを機に、続けられそうなところから生活に取り入れてみてください。
次回は、貯筋に役立つ「スロートレーニング」をご紹介します。
最後までご清覧いただきありがとうございます。