こんにちは。mitteのトレーナーのイワサキ ケンジです。
秋はくだものの豊富な季節、私たちの味覚をたのしませてくれます。栄養的にみると、くだものはビタミン(特にビタミンC)とミネラルを含む食品となります。また、健康にとてもたいせつな働きをしている食物繊維も豊富に含まれています。
むかしから、東北地方は脳卒中の死亡率の高いことが知られています。これは塩の摂取量が多いために血圧が高くなりがちで、しかも寒さがきびしいといったことが原因と考えられています。ところが、この東北地方の中で、青森県の一部の地域だけ、脳卒中の死亡が少ないところがありました。それはリンゴの産地であり、リンゴをよく食べている人がいる地域で、リンゴに含まれているカリウムのおかげであることがわかりました。
塩のとり過ぎが高血圧の原因になるのは、塩の成分の1つであるナトリウムに、血圧を上げる作用があるからです。これに対して、カリウムは体内でナトリウムと拮抗して働き、ナトリウムを細胞から引き出し、さらに体外に追い出す働きがあるため、カリウムは塩の害をへらし、高血圧を改善し、脳卒中を予防するのです。カリウムは、野菜、イモ、豆、海藻などいろいろな食品に含まれますが、くだものにも多く含まれ、特にバナナ、メロン、イチゴなどに豊富に含まれています。
この他に、ビタミンCには中高年の病気や老化の防止に役立つ働きがいろいろあります。まず、動脈硬化や体の老化、ガンなどの原因となる活性酸素の作用を抑える働きがあります。また、細胞と細胞を結びつけているコラーゲンという物質が作られるときにも、ビタミンCは重要な働きをしています。コラーゲンがたくさん作られれば、血管の細胞をしっかり結びつけて血管を強化し、動脈硬化を防ぎます。コラーゲン入りの化粧品があるように、皮膚の細胞の若さを保ち、張りと潤いを与えて美容にも役立ちます。また、ビタミンCには皮膚を色白にする働きもあります。こうした理由で、くだものは美容によい食品といわれるのです。
ただ、ひとつ注意していただきたいのは体によい食品だからと、食べ過ぎれば、肥満の原因になります。ごはんもへらし、甘いものも極力ひかえているのに、ちっともやせられないという女性の場合、しばしば、くだものの食べ過ぎが原因になっていることがあります。くだものには果糖という糖分が含まれていて、たくさん食べれば砂糖やごはんをとったのと同じになり、カロリーのとり過ぎになってしまいます。
また、くだものは二日酔いや悪酔い予防にいいといわれますが、これも事実です。アルコールをたくさん飲むと水分不足になりますが、くだものは不足した水分を補給してくれます。さらに、含まれている果糖がアルコールの分解を促進して、酔いをさましてくれます。また、柿に含まれるタンニンにはアルコールの吸収を妨げる働きがありますから、飲み過ぎたときはすぐに柿を食べれば、悪酔い予防にも効果があるはずです。
秋は果物がたくさんとれる季節。旬の物を食べて健康に美しくなりましょう。
最後までご清覧いただきありがとうございます。