こんにちは。8月は、最盛期の夏を迎え、陽射しは強く、体力の消耗も激しい時期です。暑さで食欲が落ちるため、のどごしの良い麺類を取ることが多く、その為糖質過多になりやすい時期でもあります。強い陽射しで体も酸化しやすいこんな時期だからこそ、抗酸化力の高い野菜が旬を迎えます。
例えば、トマト。トマトの赤い色のリコピンは、抗酸化力が強く抗ガン効果の高いことで有名です。畑に根を張ったトマトはどんなに暑くても動くことができません。太陽の高熱で自分の身が酸化していくのを防ぐために、真っ赤な色で自分の身を守ります。トマトのリコピンはトマトが自衛のために生み出した産物。私たちはその効能をいただいているのです。
またトマトだけに限らず、なすの紫黒色のナスニンや抗酸化力の強いカロテンを多く含有する緑黄色野菜も同様に夏野菜として旬を迎えます。
そして、夏の野菜は水分が豊富です。暑さや疲れ、水不足などから起こりやすい熱中症を防ぐためにも、水分を多く含有する夏の野菜は有効なのです。
今日は、8月が旬の野菜についてご紹介していきましょう。
・トマト
ビタミンの宝庫とよばれるようにカロテン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンE1、B6等を含み、カリウムも豊富に含まれている。赤い色はカロチノイド系色素のリコピン。酸味はクエン酸やリンゴ酸。食物繊維のペクチンの含有している。カロテンが細胞の粘膜を強化し、ビタミンがコラーゲンの形成を促すので、美肌に有効で、リコピンは抗酸化力が高く細胞の酸化を防ぎ、老化防止やがん予防の効果も大きいのです。カリウムが余分なナトリウムを排出するので高血圧の予防にも有効で、トマトの栄養素ペクチンは便秘を解消する働きがあります。
・かぼちゃ
かぼちゃは大きく3種類に分けられます。一つは戦国時代末期に九州に渡来し、「日本かぼちゃ」、その後に広まった「西洋かぼちゃ」と細長いものが多い「ペポかぼちゃ」。現在の主流は南米が原産の西洋かぼちゃです。日本かぼちゃよりも水分が少ないためホクホクしています。貯蔵性が高いので野菜の少ない冬場に食す「冬至のかぼちゃ」も有名です。
西洋かぼちゃの糖質は20.6%、タンパク質1.9%。日本かぼちゃは糖質10.9%、タンパク質1.6%と西洋かぼちゃの方が甘みが高く、カロテン、ビタミンC、B1、B2 、Eのビタミン類t、カルシウム、リン、カリウムなどのミネラルを含んでいます。また、食物繊維も多く含みます。
そんなかぼちゃは、カロテンが粘膜を丈夫にし、ビタミンCと一緒に風邪を予防し、美肌を作る手助けをしてくれます。カロテンには抗酸化作用もあり、活性酸素を除去するのでがん予防の効果が高いです。とくにかぼちゃはさつまいもや人参とともに肺がん予防効果が高く、ビタミンEは細胞の老化を防ぎ、血管の弾力性を高め、食物繊維が大腸がんを予防します。
・なす
原産地はインドといわれ日本には中国大陸を経て8世紀に渡来しました。色は紫が一般的ですが、緑、黄白、緑の斑入りと多様です。古くから炎症を鎮める民間薬として重宝され、夏野菜の中でも体を冷やす効果の高い野菜です。
水分が約94%を占め、皮の紫黒色はアントシアン系色素のナスニンは、抗酸化力に優れ、がん予防や老化防止に効果があります。また、カリウムや食物繊維、ビタミンCを含んでいますが、残念なことにビタミン類やミネラル類の含有量は低いです。カリウムは体内の余分な塩分を排出し高血圧予防に有効で、アントシアンは眼精疲労に有効です。水分が多く体を冷やす働きがあるのでのぼせやほてりに効果があります。
暑い時期の自然が生み出す食材には、私たちがこの時期を乗り切るための栄養素が豊富に含まれています。ありがたく頂戴して残りの夏を乗り切りましょう。
最後までご清覧いただきありがとうございます。